ウエハラユウタのブログ(Uelog)をご覧いただき、ありがとうございます。管理人のウエハラユウタです!【SNSリンクはこちら】
2021年の介護報酬改定で基本サービスに組み込まれた栄養ケアマネジメント。
介護施設で勤務する管理栄養士にとっては必須の知識となります!
栄養ケアマネジメントを実施できていないと減算対象に・・・!つまり、実施が必須ってことです!
チェックポイント
栄養ケアマネジメントを実施していても、書類不足や手順不足があれば減算対象(14単位/日)となってしまいます!
介護施設には管理栄養士1人設置の所が多いのですべて自分でするのは大変ですが、きちんと手順を踏み、書類をそろえておきましょう!
監査等で指摘され、周りからの信頼が落ちてしまうような事は避けたいですね!!!
減算されてしまうとかなりの金額になってしまいます・・・。
50床の場合:14単位×50床=700単位=7000円×30日=210,000円/月
栄養ケアマネジメントとは?
個々に最適な栄養ケアを行い、その実務の機能や方法、手順を効率的に実施するためのシステムです。
介護保険施設へ入所される方の多くが、栄養状態に問題があるという事で、2005年の介護保険制度改正時に栄養ケアマネジメントが開始になりました。
個別栄養ケアの重要性が社会的に認識されたという管理栄養士にとっては、非常に重要な出来事です!!!
当初は、栄養ケアマネジメントは基本サービスには含まれない加算という位置づけでしたが、2021年からは基本サービスに含まれ、必ず実施する必要があります。
2021年まで:頑張って栄養ケアマネジメントした施設には報酬を加算しますよー!
2021年以降:栄養ケアマネジメントは必ず実施してください!やってない施設は報酬を減らします!!!
こんなイメージです!
栄養ケアマネジメント実施義務施設
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
介護老人保険施設
介護医療院
介護療養型医療施設
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護(特別養護老人ホーム)
介護保険で報酬を得ている施設や病院はすべて対象となります。
栄養ケアマネジメントの実施方法
栄養ケアマネジメントの手順
- 栄養スクリーニング
- 栄養アセスメント
- 栄養ケア計画書の作成
- モニタリング
- 必要に応じて計画の見直し
基本的な考えは以上のような流れになります。詳しく見ていきましょう!
栄養スクリーニング
簡単に言えば、栄養状態の把握です。
低リスク | 中リスク | 高リスク | |
①BMI | 18.5~29.9 | 18.5未満 | |
②体重減少率 | 変化なし(減少率3%未満) | 1ヶ月に3~5%未満 3ヶ月に3~7.5%未満 6ヶ月に3~10%未満 | 1ヶ月に5%以上 3ヶ月に7.5%以上 6ヶ月に10%以上 |
③食事摂取量 | 3.6g/dl以上 | 3.0~3.5g/dl | 3.0g/dl未満 |
④血清アルブミン値 | 良好(76~100%) | 不良(75%以下) | |
⑤栄養補給方法 | 経口摂取 | 経腸栄養法・静脈栄養法 | |
⑥褥瘡 | なし | なし | あり |
これらの各項目を評価し、低栄養状態のリスク判定を行います。
手順Ⅰ:①②③の項目が低リスクに該当する場合は、低栄養リスクは低リスクと判断されます。
手順Ⅱ:②③⑥の項目で高リスクに一つでも該当すれば、低栄養リスクは高リスクと判断されます。
手順Ⅲ:Ⅰ、Ⅱ以外の場合は、低栄養リスクは中リスクと判断されます。
BMIや食事摂取量は個人差や生活背景(若い頃から痩せている、食事は必ず半分残すなど)を考慮する必要があります。
また、心不全や腎不全などで浮腫がある場合は見かけの体重は増加するので注意が必要です!!!
栄養アセスメント
簡単に言えば、解決すべき課題です。栄養スクリーニングで抽出された問題を詳しく探ります。
ポイント
- 身体状況
- 療養食(心臓食:塩分6g未満、糖尿病食:1400kcalなど)の有無
- 食事摂取量
- 口腔、嚥下機能評価
- 生化学データ
- 全身状態評価
- 医薬品の使用状況
栄養アセスメントは管理栄養士一人では行う事ができません。
医師や看護師、介護士、リハ職、ケアマネから情報収集しましょう!
栄養ケア計画書の作成
栄養スクリーニング・アセスメントを踏まえ、計画書を作成します。
計画書のひな型は厚生労働省から示されているのでそれを使用しましょう!
もちろんそのまま使用しなければならないわけでは無いので、必要な項目を網羅しつつ自分なりにアレンジしても大丈夫です。
計画書を作成したら、本人や家族様に説明を行い、内容に同意して頂く必要があります。
計画書を作成し説明する時に、本人や家族のニーズを把握することもとても重要です!
青魚が嫌いなのに、焼き鯖を提供しても食べてくれませんよね。
ニーズの把握はすごく重要で、日々把握しておく必要がありますね!
モニタリング・評価
作成した計画を基に食事を提供してみて、患者様はどうなのかを観察します。
日々の食事摂取量の把握、食事形態は適切か、嚥下機能に変化は無いか、体重測定、生化学検査など・・・。
ただ単に観察するだけではダメです!!!
例えば、食事摂取量が安定しない場合は、なぜ摂取量が安定しないのか。
その背景を知る事が大切です。
味付けが好みでは無いとか、介助されるのが嫌とか、刻み食の見た目が食欲を減退させているとか、いろんな要因があると思います。
モニタリングは低栄養リスク判定ごとに期間が決まっているので注意が必要です!
モニタリングの実施時期
- 低リスク:3ヶ月ごと
- 中リスク:1ヶ月ごと
- 高リスク:2週間ごと
低リスク=3ヶ月毎のモニタリングだからと言って3ヶ月その方と全く関わらなくて良いと言うわけではありません。日々のミールラウンドでの観察や1ヶ月毎の体重変化観察は必ず実施し状態を把握しておきましょう!
必要に応じて計画の見直し
モニタリングを実施し現在の計画が適していないようであれば、計画内容を変更します。
体重が減少しているから提供エネルギー量を変更する。
嚥下機能が落ちているので、食事形態を変更する。
など、3ヶ月もすれば、変更になる事はたくさんある場合もあります!
計画が変更になれば、再度栄養ケア計画書を作成し、本人や家族様に説明し同意を得ます。
そして、また日々のモニタリングを実施していきます。
栄養ケアマネジメントに必要な書類
ポイント
- 栄養スクリーニング・アセスメント・モニタリングシート
- 栄養ケア計画書
- 栄養ケア経過記録
栄養スクリーニング・アセスメント・モニタリングシート
こちらは厚生労働省より示されている、栄養スクリーニング・アセスメント・モニタリングシートです。
初回に栄養スクリーニング・アセスメントを実施、2回目以降はモニタリングした内容も記載していきます。
以前の様式例よりも、とても記載しやすくなっていると思います。
もちろん、これは一例ですのでこの例をもとにアレンジしても大丈夫です!
私もこの例をもとにExcelで記入しやすいように作り替えたものを使っています。毎回、手書きはしんどいのでデータ化しておくと良いでしょう!
栄養ケア計画書
こちらも厚生労働省から示されている、栄養ケア計画書の例です。
こちらは私が実際に作成した計画書例です。
自身で記入しやすいようにアレンジしています。
監査、実地指導でもこの計画書を確認して頂いているので問題は無いと思います。
自治体や指導員によって見解は異なりますので、その支持を第一優先するようにお願い致します。
栄養ケア経過記録
栄養ケア経過記録は厚生労働省から示されている計画書の下部に記入欄があります。
記入欄が少ないので、私は別紙で記入しています。
食事の変更や嚥下の検査した内容などを記入しています。
家族様から経過などの問い合わせがあった時にとても役立ちます!
栄養ケア計画書の同意サインは必要なのか?
厚生労働省より示されている計画書例には、説明日の記入欄はありますが、同意者のサイン欄がありません・・・。
サインが必要無くなったのでしょうか・・・?
私は、サインをして頂くのが無難だと思っています!!!
理由は以下の2点。
ポイント
- 厚生労働省よりサイン不要という文言は発表されていない。
- 入所者や家族様とのトラブルを避け、自身の身を守るためにもサインは必要。
この計画書が発表されたものの、正式にサインは不要という発表はされていません・・・。
「栄養ケア計画書を入所者又は家族に説明し、同意を得る。」との文言は記載されていますので、同意を得た人物の証拠を残すためにはサインはやっぱり必要だと思います。
正直、とてもややこしい状態です。
また、計画書通りに食事を提供していても、思わぬ行き違いから家族様からクレームを頂く場合もあります。
そんな時は計画書を示し、説明しましょう。同意サインを頂いていれば、自身の身を守る事ができますね。
やはりサインを頂いておく方が無難です。
サインを頂いておき、監査や実地指導時にサインの必要性の有無を監査員に確認するようにしましょう!
当サイトをご覧頂きありがとうございます。
ウエハラユウタのブログ(うえログ)は田舎生まれ、田舎暮らしの田舎大好き管理人ウエハラユウタの日々の様子をリアルに配信しています。
管理人が気に入った製品の紹介や好きなモノゴトの情報、本業の管理栄養士ネタ、副業関連の情報などを記事にしています。
記事を気に入って頂けましたら、ブックマークやSNSでのシェアをよろしくお願い致します。
Instagram:@uemon_ytでも日々の暮らしを発信していますので是非、フォローお願いします。
俺様の日々の可愛い様子も投稿してくれてるニャ!!!是非、見に来てくれよニャ!!!
当サイトはWordpress最強テーマ(AFFINGER6(WordPressテーマ))を使用し運営しています。ご興味ある方はぜひこちらもチェックしてみてください!